「エコフィックス」は遮熱対策として、昨年から横浜市の学校や子供クラブに設置されています。
今年の5月に、横浜市教育委員会施設課より弊社に、「新型コロナ対策のためにエコフィックスの活用方法の検討をしてほしい」との相談がありました。

横浜市教育委員会では、教室の換気をする場合、以下のように行っているとのことでした。

~学校で推奨される「密閉」の回避(換気の徹底)~
換気は気候上可能な限り常時、困難な場合はこまめに(30分に1回)以上  
数分程度、窓を全開にする、2方向の窓を同時にあけて行うようにします。

上記の対策では、問題点が3点考えられます。

1.夏場を迎え、窓と共にカーテンも全開するため熱中症の心配がある。
2.冬場は、窓の開閉により室温の低下で、風邪やインフルエンザも心配。
3.窓を開け放つため室温が変化が激しくなるので、空調負荷がかかり電気代が上昇する。


当社の提案

エコフィックスは、採光、遮熱、保温の効果がありますので、
6月に、以下のご提案をさせていただきました。

1.換気の時もエコフィックスを窓に掛けっぱなしにしておく。
・遮熱、保温効果でエアコンの冷気や暖気を逃がさない。
・直射日光をやわらげながら、採光性はあるので室内はあかるい。

2.窓は20センチ程度開けて、対角線の通路側を開放する。
・窓を細く開けることで風の勢いをつける。(スキマ風 効果)

3.廊下に換気扇があれば換気扇を作動させて、外部へ排出させる。
※湿度や温度をコントロールする。「ナチュレ―ヌ」を設置し換気扇のON/OFFを自動コントロールする。



【参考資料】
新型コロナウィルスの換気の治験データが発表されています。


8月25日の朝日デジタル
■理研計算科学研究センターの富岳で計算

学校の教室やオフィス、音楽ホールなどの空気の流れを計算。ウイルスを含む恐れがあるエアロゾル(浮遊する微粒子)の動きを調べた結果。対角線上の窓と扉だけを開ければ十分な効果が得られることがわかった。(2020年8月25日朝日デジタル)

シミュレーションでは、40人の生徒がいる教室(8メートル四方、天井高3メートル)を想定。エアコンを稼働した上で計算した結果

冬に気を付けるポイント
冬場の感染を防止するために大切なポイントは、「換気・室内気温・湿度」です。

窓を少し開けて常時換気を
真冬の寒い時期や雪が降る状況で、1時間に2回、窓を全開にして換気すると室温が急激に下がってしまいます。

窓に「エコフィックス」を掛けておき、暖房をつけながら窓を少し開けて、常時換気しておくことで、室温を保ちながら換気することができます。
夜間も窓に「エコフィックス」を掛けておくことで、窓からの冷気を抑え、室温の低下を防ぎます。
タイマーなどで事前に室温上昇させ、冷たい壁や床天井などを暖めてから窓を開けると室温が下がりにくくなります。

室内気温の管理
ここで大切なのは、冬の室温を18℃以上に保つことです。
窓を開け放ち換気をすると室内温度は低下し、体温を低下させてしまいます。
体温が1度下がると、免疫力は約30%低下すると言われています。

世界保健機関(WHO)が推奨する冬の室内の温度は、18度以上となっています。(「WHO 住宅と健康に関するガイドライン:2018年11月発表」)

適度な湿度を保つ環境づくり
空気が乾燥傾向になると喉の粘膜の防御機能が低下する、ウイルスの感染力が低下しづらいなどの悪影響を与えます。
特に冬期間は乾燥をしやすいシーズンになります、多くのウイルスは、温度が低く乾燥した環境(湿度40%以下)を好みます。
乾燥しやすい室内では加湿器など補助機器を使用するなど、適切な湿度(50~60%)を保つ工夫を施しましょう。
換気でクリーンな空気に入れ換えをし、適正な温度・湿度を保つ。これが大切です。


2020年10月13日
■新型コロナウイルス 空気乾燥で拡散拡大 スパコン富岳が予測

空気が乾燥する冬を前に、新型コロナウイルスの飛沫の広がりについて、最新のスーパーコンピューター「富岳」を使った予測が公表され、乾燥によって室内でウイルスがより広がりやすくなることが分かりました。

それによりますと、オフィス内を想定し1.8メートル先に座る向かいの人にかかる飛まつの数を予測した結果、湿度が90%の場合に比べ、湿度が30%まで乾燥すると飛まつが霧状に広がりやすくなり、かかる飛沫が3倍に上ることが分かりました。

ただ、高湿度の環境ではエアロゾルが減る分、机などに落ちる飛沫が増え、落ちた場所を通した接触感染リスクは高まる。研究チームは、手が触れるところをアルコールで拭いたり、手洗いをしたりといった対策を併用することが肝要だとしている。